問題文
180台の電話機のトラフィックを調べたところ,電話機1台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回,平均回線保留時間は80秒であった。このときの呼量は何アーランか。
(ネットワーク H14秋期 問34)
問題の意図
呼量(アーラン)の計算問題。
アーラン
Wikipediaでは、アーランを次のように定義している。
音声電話の分野で用いられる、通信トラヒック量に関する統計的な尺度
wikipedia
アーランの求め方
wikipediaには、下記のような説明がされていた。
トラヒックの計算において、1アーランは1つの資源を継続的に利用している(または2つの資源を50%の頻度で利用している、などの)状況を意味している。
例1
wikipedia
銀行に2台のATMが存在して、その両方が常に利用されている状態にあるならば、それは2アーランのトラヒックが存在していることを表している。
単位時間あたり、どれだけの資源を利用しているか?でアーランを求める。
アーランの利用意図
アーランで表されるトラヒックは、システムの資源に過不足が無いかどうかを決定するために用いられる。T1回線やE1回線においては、長時間に渡って計測されたトラヒックを用いて、ピーク時間においてどれだけの音声回線が利用されているかを決定するのに用いられる。例えば、ある任意の時間帯において24チャネル中の12チャネルしか使われていないのならば、残りの12チャネルをデータ回線に用いることが可能になる。
wikipedia
解法
セオリー通り、単位時間あたり、どれだけの資源を利用しているか?を考えていく
- 180台の電話機
- 電話機1台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回
- 平均回線保留時間は80秒
「電話機1台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回」なので、
180[台] / 3[分/回] = 60[台・回/分] を求めることができる。
1回の着信に、80[秒/回] = 80/60[分/回] 回線を保留されるということなので
単位時間[1分]あたりに使用される資源(電話機)の数は
60[台・回/分] × 80/60[分/回] = 80[台]となる。
よって、答えは80アーランとなる。
補足
単位時間を1時間としても求めることができる。
「電話機1台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回」なので、
60 / 3[回] = 20[回/時間]を求めることができる。
電話機は180台あるので、全体の着信数は180[台] × 20[回/時間] = 3600[台・回/時間]となる。
「平均回線保留時間は80秒」なので
回線保留時間は、80[秒/回] = 80/3600[時間/回]
80/3600[時間/回] × 3600[台・回/時間] = 80台 よって答えは80アーラン
以上、アーメン
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